Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

錆々、煌々








家の裏口を開けると虹彩をぎゅっと絞らなければ、そこさえも見えない程外が明るい。



薄汚れたサンダルを履いて、砂利の上を歩いた。陽や草、土の匂いが心地良かったから、壁に立てかけられていた折り畳み椅子を拡げてそこに座ってみた。

暖かい日は命の匂いがして、四つ足の内一つが壊れている様なガラクタに座っているだけでも細胞が起きていった。




県外ナンバーを良く見かける頃、自分が当たり前にそこにいる違和感に何だか居辛さを感じる。勝手にやってきたのはそっちなのに軽自動車の黄色いプレートが、やけに大きい顔をしているように見えるんだ。


刺すような光も、熱も、心の底にある陽気を引っ張り出してくれる訳でもなく、只々鬱憤だけを積もらせる。







駅のホームから見える茶色と緑のコントラストが好きだ。蛞蝓の様な、這いつくばった暑さもほんの少しだけ和らぐ。

優先席に座り、ベビーカーに話し掛けながらマテ茶を飲んでいるふくよかな貴女。
あなたにはきっと梅雨なんて来ないだろう。











































































♪気ままラブソング/高橋優



サマーニットに頼らざるを得ない








今日も今日とて腋汗がとどまるところを知らず、運動不足と老いを感じずにはいられなかった。

元々激しくあせっかきだったけれど、20歳を超えてから腋の代謝が凄まじい。
なんなら暑くなくても腋が湿る。
何なんだ。気持ち悪い。灰色のTシャツ着たいのに。紺色のTシャツ着たいのに。
白と黒ですら腋汗見えるし、やだなぁ。
汗腺引き千切ろうかなぁ。




1年ぶりにアスファルトの焼けた匂いがして、あぁ、また億劫な季節が来るのか。
夏が楽しみだったのなんて、オレンジレンジを聴いていた頃迄だ。

寒くて冬は嫌いだし、汗かくから夏は嫌い。しかも今から梅雨。天パの僕は前髪がとんでもないことになる。嫌だ。梅雨生まれなのに。


こうして22年程生きてきても、好きな季節は減り、嫌な部分ばかり見えてしまう。どうせ何度も来たる季なら好きになった方が得だろうに。


明日も、スーツ。
うだるような暑さの中、くそつまらない質問に対して如何にスマートに答えるか。これがカギとなる気がする。

好きな食べ物を聞かれたら何って答えよう、
冷奴か、素麺かな。
んん、スマートでクールだ。
























































































♪swim/04 Limited Sazabys


白赤ドットの恐怖感




創造の原動力はフラストレーションが全てだとマキシマムザ亮くんが言っていた。確か。ユースケサンタマリアも言ってたな。



対人から生じる苛立ちは勿論、何だかいつも通りにいかない自分とか、偶然にも黒猫が前方を横切ったりすると不快感にも似た猛烈な違和感に襲われる。更に背の順になっていない本棚の中の並びや、民家の換気扇から垂れ流される家庭の臭いが何だか鼻に付く。
こうした、日常のささくれを痛いと感じる繊細な人間の放出するエネルギーは凄まじいと感じる今日この頃だ。

僕は自身のコンプレックスを発散する事によって日記を書くネタになる程度にはなる事に気が付いた。裏ワザだ。一生尽きない。コンプレックスの塊であるからな。
◯◯を出来ない自分なんて腐る程いる。
そう思うのが億劫な程に何度もぶち当たってきた。




綺麗に見せる必要なんて無いはず。
それこそ万人に受け入れられる為の努力なんて不必要だ。

自分が信じる人と自分の感性と下らない日常を少しずつ頼りにして、今日も苛立ちを折り畳んでポケットにしまう。







































































♪NEW SENTIMENT/BRAHMAN

もちつもたれつ

今週のお題ゴールデンウィーク2015」





僕はゴールデンウイークの半分を南三陸で過ごした。
初参加のボランティア団体に参加して定期支援に訪れた。


超絶人見知りの僕が申し込みをした時点で奇跡のようなものだ。いつもの自分なら申し込み画面で全ての項目を入力しても決定ボタンを押せない筈なんだ。でも、押せた。押して良かった。

沢山の人と出会った。石巻とか登米から参加の人。仙台、福島からの人。茨城の人。千葉の人。埼玉の人。東京の人。名古屋の人。大阪の人。奈良の人。福岡の人。。。
年齢も住まいもバラバラだけれど、東北を想う気持ちは同じで、強い。優しい。



行かなきゃわからないことも多いし、やらなきゃ始まらないことだって沢山あると思う。
自分にとっては凄く躊躇する一歩目をこのチームと仲間で踏み出せて良かった。




とにかく風化はさせない。
参加、発信、行動の繰り返し。まだまだこれから、ここから。






夜中3時位まで、お酒を飲みながら語らい合ったんだ。大人10人位で。
そこには家族を震災で無くした方も、実家が流された人も、阪神淡路の震災を経て関西から来た人も、僕の様に初参加の人もいた。



単純に、大人が本気で話しているのを初めて見た気がして衝撃を受けた。
輪になってボランティアの在り方とか東北の今後を本気になって話し合った。

泣きながら話すんだ。東北の事を。いい大人が。

嬉しかったなぁ。

東北に住む僕は、膝を抱えながら黙って彼らの熱弁に耳を傾けながら、昨日初めて会ったこの人達の事が何だか昔からの友人の様に思った。








現地の人でさえ大人数で動く僕らを見て
「何で?何しに来たの?」と言う。



誰かを助ける、なんて
そんな大それた事を言うつもりは無いけれど大好きな東北、大好きな南三陸の人に会いに来て、いつものお婆ちゃんとお話をしに来た。それで良い。



自己満足、上等ですよ。
自分が後悔しない事を自分でする。
行動を起こさない奴の外野からの声なんて届かない。












また、南三陸のお婆ちゃんとお茶して、9割聞き取れない訛り満載のすべらない話をあの仮設住宅で聴きたい。
あの子も、待ってる。また野球しようって言ってくれたり。キャッチボールの練習しなきゃ。保護者の方も毎週来て欲しいって言ってくれたし。美味しいご飯も食べたいな。ウニ丼最高に美味しかった。支援に行った仲間ともまた一緒に活動したい。

参加して良かった。









また来てねって嬉しいな。
お婆ちゃんが僕らを思い出すその前にまた、行くよ。








































































喉の痛みは心の緩み






発信すればするだけ嫌われるSNSというツールでは、自分の思いもろくに話せない。こんな世界ポイズン過ぎないか。


こんにちは、面接なんてこんなものだとわかっていながらも、突っかかってくる相手がやたら鼻に付く病気に罹っていますアキバです。








そんな右に倣えの就職活動は一旦置いておいて、ARABAKI ROCK FES'15に参加して来た。


良かった。

暖かいし、自然がたくさんだし、いい歌歌ってくれるし、良い人たくさんだし。

帰り際にスタッフが手を振ってお見送りしてくれるのも嬉しい。







同行した友人はこの度のアラバキが初フェスだった。
半分は彼の気持ち、もう半分は僕のエゴで共に参加する事になった。

凄まじいから、
アラバキって良いから、

そんな雲の上を歩かされる様な誘い方をされたにも関わらず快く同行してくれた友人に感謝したい。








フェスが終わって、友人は口には出さなかったもののTwitterに呟いていた。

「東北が好きです」












おう、僕もそんなお前が好きだ。

手帳の来年の4月29日の所に赤丸を付けといた。
また、一緒に行こう。















































































ひしゃげた襟元が気になって







駅に向かって道路沿いを歩く僕の鼻の前を、焦げたエンジンの匂いが横切った。
悪くない。



20時30分
会話をしている相手の顔が見えにくくなって漸く、日常を取り戻した。
昼下がり位からだろうか。現状を報告して、過去を洗って、将来を語った。
持ちつ持たれつでは無いけれど、それ程まで信頼できる相手との時間は至高だ。
図書館に籠り、たった10数ページに縛り付けられながら、意識が宙に浮いたままで問題に取り掛かるよりは随分時間の流れ方が違う。

みんなみんな、踏ん張ってる。
たくさんたくさん背負って、前を向く。

照明が点く頃になって僕は饒舌になっただろうか。芝生の上にある木の椅子にもたれ掛かって、桜の舞う中で目を見て話すには余りにも気恥ずかし過ぎる。



あと1年。
一昨年まで楽しくなかった学生生活が、去年から何だか弾む様になった。
彼等彼女等に出会うのが少しばかり遅かったな、なんて何度思ったかわからないけれど、先ずはしまっておいても良いだろう。
あと1年しか
と言う彼女を横目に僕は、その先もずっと変わらないメンバーで話す風景を描くんだ。




原付での帰路はきっと寒い。名前も知らない様な細かい虫が群れをなして飛びかかってくるし、カナブン的なあいつも僕の目を目掛けて突っ込んで来るんだ。
でも、恐らくへっちゃら。
全てを上手くイメージする事の出来るきっかけなんてこんなもんなんだ。











































































♪Diamond/HAWAIIAN6

二人羽織って、一人しか羽織ってないよね







気にしすぎ芸人
を見た。

TSUTAYAでDVDを借りたんだ。


最近は某動画閲覧サイトでめっぽうバラエティー、お笑い番組を見漁る事が日常の殆どを占める僕であるが、何だか家にいながら横たわってパソコンの画面も少し倒しつつ寝ている目線に合わせるだけの生活を繰り返す度に猛烈な虚無感と罪悪感に苛まれ、
あ、このままだと、自分が、腐れる。
ってなった為、ほんの一歩だけ、半歩だけ前に進むきっかけとしてDVDを借りに出掛けた。


すっかり春だ。
今日は生憎の雨模様だけれど、気付かないうちに桜も咲いているし、目の前を横切る猫の数も増えてきた様に思える。




春になればなるほど、住み行く人々の頭が暖かくなればなるほど、気にせずにはいられないことが増える一方だ。

春の陽気からか、新生活を迎えた高揚からなのか、まぁ街の中が山吹色に輝く。
景色が明るくなることによって見えやすい人もいるだろうけど、僕にとっては些か眩しすぎる気がしないでもない。






春の夜だから、小腹がすいた。
こういう時納豆って便利だ。
いや、納豆の利便性など毛ほども把握してはいないのだが、炭水化物ではなく、尚且つ肉や魚のような「えぐみ」のある形もしていない。
また、一枚岩でかかって来ずに、集合体で、粘りと共にやって来る。
その様子を見るとあれ?



もしかして腹持ちが良い上にそれ程体型に影響しない?
といった謎の暗示に掛けられる。(勝手にかかっている。)


ここで一つ注意したいのは、字面だ。
大豆。
ダイズという音と文字は重めのカロリーを匂わせる。濁点が殆どを占めるからだろうか。大きい豆だからか。

だがそれしきで怯む僕ではない。
僕の納豆欲は根拠の無い形象だけでは留まることを知らない。
こういった時は小粒、又は極小粒を選ぼう。
柔を持って剛を成す、戦法だ。?





今日も今日とて、夜中に1人、納豆を食べる。
明日は納豆と一緒にご飯を食べたいな。
生きる理由が出来た。
























































♪庭/tricot