Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

空棚を埋めつつ

同居人が家から引っ越し、今日から一人暮らしになった。 所謂今日から恋人では無くなり、全くの他人としてそれぞれの生活が新しく始まる。 彼女と知り合って4年弱、関係が続いたのは2年という。 仕事の関係で田舎から上京してきて、右も左も分からない中で、…

モックネッカー

先日高校時代の友人と酒を飲んだ。 高校2年に偶々同じクラスになり、音楽や映画の趣味をはじめとした文化的なものに関する熱量が似ていた僕たちは直ぐに気が合った。 友だちが少なかったのもあるし、人見知り同士だし、その中で初めて彼が僕をあだ名で呼んで…

千鳥足で追い掛けて

2月14日 世はバレンタインデー。 会社で1人3時間程キーボードを叩き、22時30分に帰りの電車に乗った。 京浜東北線に乗って、過去のバナナムーンゴールドを聴きながら帰るのが最近の日課である。軽いため息をついて、いつもの4両目の1番に乗る。 何も変わらず…

タッセルローファーに憧れて

今何のために何してんだ 今何をしなければいけないんだ はっきりとした想いとは裏腹に ぼんやりとした使命感しか浮かばずに 某人をダメにするクッションの上に座りながら平日に終わりきらなかった仕事を熟したり、頭に入らない勉強をする休日である。いや、…

リブは長いほうがいい

起きてからもう20分が経った。 カーテンを開ける気力などなく、布団の中で精一杯足を組んでみたり手を頭の下に入れたりしてみる。 自分は起きてて、その気になればすぐに支度して仕事にでかけられるぞと主張する。 誰に 一人暮らしなのに 頭がおかしくなって…

折り鶴シャワーとサーモンピンク

革靴を脱いだ足が異様に臭かったり、髭剃りが前より時間がかかるようになったり、ネクタイ結びにこなれてきたり、周りの人から 垢抜けたなぁ なんで言われたりそんな事を言われるようになってきた昨今。なんだか変だなぁと思っていたらもう23歳になっていた…

オフホワイトからくる甘え

13号車の1Aお決まりの最前席を指定し、明日から始まる億劫な一年に項垂れながらまだ雪の積もる外を覗く。人より長い正月休みを経てまた喧騒のひどい街へ戻る。まだ、着てる服が実家の柔軟剤の匂いがする。まだ、手が実家のハンドソープの匂いがする。黄土色…

湯葉DAY

久しぶりである。指摘される迄、日記を書こうとも思わなかった。目を開けたら其処は、もう既に見慣れた景色では無く、乾燥した空気と、枯れた匂いが蔓延している。誰もいない部屋と、真新しい家具、黄色い照明。何処だ此処は。何だ此れは。東京で働いている…

石垣に張り付きたい

パソコンの操作に少しでも慣れるように、iPhoneのキーボードをローマ字入力にした。携帯を触るたびにささやかなストレスが溜まっていく。 携帯依存症の僕もこれで少しはマシになるかもしれない。精一杯の、小手先の努力だ。一ヶ月間の本社研修が終わった。今…

肌色の壁(つや無し)

合同説明会 というワードを、垂れ流しのテレビの中の人が口にした。ハッとする。 もう1年経ったのか。1年前の3月1日。 例年より就職活動が後ろ倒しになったからと、周囲を取り巻く全ての人に急かされた結果、リクナビだのマイナビだの何の事だかさっぱり分か…

替えの靴下よりあたたかいものは無い

ブーツの中の指先が死んでいる。感覚は既に無い。果たして次の駅で無事に降りることが出来るだろうか。 準備して吊革に掴まる。 緊張する。 腹が痛い。 ぐっと堪えてやや内股になる。 眩暈がする。 眉間を押さえて皺を寄せる。 電車が揺れる。 不意を突かれ…

先ずはデニムの裾を捲るのに躊躇してから

ほんの一週間程前から降り始めた雪が猛威を振るって、1日に2、3回は雪掃きをしなければならない。 駐車場の入り口が塞がる。身勝手な除雪機が遠くから持ってきた汚い雪を垂れ落としながら家の前を通る。 さっき見た景色がまた広がる。しかし、雪の色は黒い。…

亀状態

少しの坂で息があがり、白く変装した二酸化炭素が顔を見せる。リュックの紐から押し潰された肩が悲鳴をあげる。先週末、自宅で祖母が転んだ。 文字で書くとこんなにもあっけからんとしているのか。部屋のドアを開けて、スリッパを履こうとしたところ、つまづ…

タイトなジーンズにねじ込みたくない

雲の直ぐ下に住んでいる。耳朶の下を潜り抜ける風を感じながら、もう会う事は無いだろうなと気持ちが少し落ち込む。最近は曇天しか見ていない気がする。 動きも鈍くなる様な気がして、関節の動きが悪くなる。下書きをしている間に年が明けたようだ。元旦の朝…

右頬をさすりながら

諸用があって早起きした。 窓を覗けばほんの少しだけ小さい白の塊がちらついていて、一つ奥の山のてっぺんが真っ白になっていた。いい匂いがした。事ある毎に噛み合わせを気にする。もう長い事違和感のある右の奥歯を気にかけながら、今日も1日が始まる。自…

塩辛定食を背負って

病院の廊下を、 しゃん としながら歩いた。誰も僕を見る事はしなかった。もう使わなくなったテレビカードを清算するために、ナースステーションの横を抜け、休憩室の入り口の横にある清算機へと向かった。残金は七百何円だった。 殆ど使ってないなぁ。 そう…

振り抜け、さらば与えられん

ミサンガが、切れた。4年前から左腕にミサンガを二本つけていた。太いやつと、細いやつ。そのミサンガは石巻へい輪プロジェクトで作られたもので、被災にあった漁網を使って作られたものであった。一つ一つ丁寧に包装されたその袋の中には、内職でこのミサン…

大湿気時代

東北は未だ梅雨明けしていないらしい。本日、37度。こんな梅雨もあるのだなと腋汗を滲ませながら思う。クーラーの風に当たると何だか体と、地球に悪い気がして、専ら僕は扇風機派だった。だが幾ら強のボタンを押したとていつもの冷たい風が吐き出されるわけ…

メンタルスムージー

暇 っていうのが嫌で。友達に誘われた時も「空いてるよ」って答えてきた。たとえ暇?って聞かれたとしても暇って言いたくなかった。なんだか自分が価値のない人間だと言っているみたいで。隙間を埋める友達すらいないと思われそうで、嫌だ。暇だー。って言え…

錆々、煌々

家の裏口を開けると虹彩をぎゅっと絞らなければ、そこさえも見えない程外が明るい。薄汚れたサンダルを履いて、砂利の上を歩いた。陽や草、土の匂いが心地良かったから、壁に立てかけられていた折り畳み椅子を拡げてそこに座ってみた。暖かい日は命の匂いが…

サマーニットに頼らざるを得ない

今日も今日とて腋汗がとどまるところを知らず、運動不足と老いを感じずにはいられなかった。元々激しくあせっかきだったけれど、20歳を超えてから腋の代謝が凄まじい。なんなら暑くなくても腋が湿る。何なんだ。気持ち悪い。灰色のTシャツ着たいのに。紺色の…

白赤ドットの恐怖感

創造の原動力はフラストレーションが全てだとマキシマムザ亮くんが言っていた。確か。ユースケサンタマリアも言ってたな。対人から生じる苛立ちは勿論、何だかいつも通りにいかない自分とか、偶然にも黒猫が前方を横切ったりすると不快感にも似た猛烈な違和…

もちつもたれつ

今週のお題「ゴールデンウィーク2015」僕はゴールデンウイークの半分を南三陸で過ごした。初参加のボランティア団体に参加して定期支援に訪れた。超絶人見知りの僕が申し込みをした時点で奇跡のようなものだ。いつもの自分なら申し込み画面で全ての項目を入…

喉の痛みは心の緩み

発信すればするだけ嫌われるSNSというツールでは、自分の思いもろくに話せない。こんな世界ポイズン過ぎないか。こんにちは、面接なんてこんなものだとわかっていながらも、突っかかってくる相手がやたら鼻に付く病気に罹っていますアキバです。そんな右に倣…

ひしゃげた襟元が気になって

駅に向かって道路沿いを歩く僕の鼻の前を、焦げたエンジンの匂いが横切った。悪くない。20時30分会話をしている相手の顔が見えにくくなって漸く、日常を取り戻した。昼下がり位からだろうか。現状を報告して、過去を洗って、将来を語った。持ちつ持たれつで…

二人羽織って、一人しか羽織ってないよね

気にしすぎ芸人を見た。TSUTAYAでDVDを借りたんだ。最近は某動画閲覧サイトでめっぽうバラエティー、お笑い番組を見漁る事が日常の殆どを占める僕であるが、何だか家にいながら横たわってパソコンの画面も少し倒しつつ寝ている目線に合わせるだけの生活を繰…

掘り炬燵は炬燵のカテゴリーに入れて良いものか

アナログ人間である。であるからして、文字を打つよりかは書く事の方が多い僕であるが、最近はよりペンを握る機会が多い。というより握らなければいけない事が多い。言ってしまえばこんな下らない日記など書かずにやるべき事は他にもあるのだがジャンルを変…

タジン鍋を持っていればお洒落という風潮

今更だが、タイトルと本文は一切関係無い。全く無い。清々しい程無い。皆無。虚無。語呂、リズム、思いつきが全て。タイトルを嗅いでやって来た方、ごめんなさいね。悪しからず。やらなければいけないことは重々承知だけれども、やらなくても良いことばかり…

365×4=

東日本大震災から四年が経った。もう四年か、とまだ四年か、が交差する。四年間で得られたものは何だろう。3月11日に宮城県に居たことも、福島県に居たことも、山形県に居たこともあるけれど14時46分は皆立ち止まって黙祷をする。関東や関西の詳しいことはわ…

どんぐりノーマルの背比べ

様々な物がとにかく障壁に見えて、実に多様な形として僕の行く手を阻んでいる気がしてならない。先日の講義で彼が教壇の上で述べたように人類は皆平等なのであれば、幸せな顔をして道端を歩く普遍的であるとされる彼らは一体どのようにして壁を乗り越えてい…