Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

チュロスチャンバラ


今週のお題「ふつうに良かった映画」



映画館、はとても好きだ。あの異質感。閉鎖された空間に蔓延する、あの空気。淀みながらも悪い気はせず、どこか高尚な娯楽に身を投じた自身に酔っている人が集っている様な気がする。決して悪い意味では無い。大事なことなので二回。やけに甘ったるいキャラメルポップコーンの匂いとロビーとスクリーンの世界観の違いが僕の鼓動を速くする。

そんな僕だが、最近めっきり映画館には行けていない。暫く足を運んでいないと近代化したルールについて行けない様で怖いのだ。しかし、ただ単に1人で映画館に行った所で大嫌いな友人カップルなどと遭遇したく無いと言った理由が大半を占めているのだが。


そうなると田舎暮らしでアナログな僕は映画を見るにはDVDに頼らざるを得ないわけだが、僕は自宅のテレビで映画を見る事をとても苦痛に感じてしまう。行動を限定されていない環境で「映画を見る」事だけに時間を束縛されるのが苦手だ。だからと言って本を読みながら、携帯を弄りながら作品を観るのも気が引ける。




前置きが長くなったが、そんな奇天烈な心持ちの僕が久しぶりにTSUTAYAで手に取った作品は

エスケイプ・フロム・トゥモロー

である。



雑誌か何かでこの映画を知った時、監督は相当捻くれている方だろう。と、一方的でひどく身勝手な偏見を持った。


ある意味、この作品は今週のお題にはそぐわない。お世辞にも「ふつう」とは言い切れないからだ。であるからか、良かったとも言い切れないのが正直な所だ。

ディズニーランドを無許可撮影して、尚且つモノクロシーンのみで作成されたこの作品からは、映画を鑑賞する多くの人が求める感動や爽快感、満足感などは全く得ることが出来ない。


ディズニーのみが持つ計り知れない幸福感と得体の知れない人工感、そして其処から生まれる誰もが感じるが誰も見たことのないほんの僅かに漏れ出しているダークな側面に擦り寄っていく。


不意にこの記事を見た人がネタバレしちゃったよーってなるのが恐ろしいのであまり深くは掘り下げないでおくが、良くも悪くも思考の余地がある(ありすぎる)作品である事は間違いない。

極端な事を言うと、この映画を見た一人一人に感想を聞いても全く同じ受け取り方をした人はいないと思う。




何処までが主人公の夢なのか、

主人公が夢の国で見た史上最悪の悪夢を是非この記事を読んでいる皆さんも見て欲しい。僕だけでは持て余す程の壮大な悪夢だ。


あれ?ミッキーってあんな顔だったっけ?イッツアスモールワールドの人形達の様子がおかしくないか?少しでもそう思ってしまったら、もう夢の国から目覚めることはない。皮肉にもエスケイプ・フロム・トゥモロー(明日からの逃亡)は出来ているのかもしれないけれど。




















































ミッキーマウス・マーチ