Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

先ずはデニムの裾を捲るのに躊躇してから









ほんの一週間程前から降り始めた雪が猛威を振るって、1日に2、3回は雪掃きをしなければならない。 駐車場の入り口が塞がる。
身勝手な除雪機が遠くから持ってきた汚い雪を垂れ落としながら家の前を通る。 さっき見た景色がまた広がる。しかし、雪の色は黒い。

折角早起きして雪掃きをした僕のおでこに 無駄 という判を押し、やかましく去っていく。



とうとう細い方のミサンガも切れた。
ただの汚い糸だったけれど、左手の違和感を拭い切ることは出来ない。
やけに軽い左側が吹き飛んでしまわないか気を遣いながら過ごす日々にひどく疲れる。
 左手にミサンガが巻いてある という意識か、はたまた思念の重さかわからないが何か途轍もなく大きく、大事なものがふといなくなってしまったようで悲しい。

どうせまた、邪魔で、汚くなって、臭くて、濡れると厄介な 編んだだけの糸を左手首に着けるんだ。 たったそれだけで何かの為に生きてるとか、何かがあって生きてる気がするんだ。




































































♪コンビニララバイ/クリープハイプ