タッセルローファーに憧れて
今何のために何してんだ
今何をしなければいけないんだ
はっきりとした想いとは裏腹に
ぼんやりとした使命感しか浮かばずに
某人をダメにするクッションの上に座りながら平日に終わりきらなかった仕事を熟したり、頭に入らない勉強をする休日である。いや、したフリをする。またはパソコンの中で動くバナナマンを永遠に見ている。
こうした土日は何度目だろう
もっとやりがいを持って楽しく
やりたいように仕事がしたいな
「おれも若い時は仕事なんて全然面白いもんじゃなかったよ」
「入って3年くらい迄は何もわかんないよ」
艶のあるワックスでセンター分けにした髪型からは 私は誠実な人間ですよ と意図的な偽善がにじみ出る。何とも形容しがたい嫌悪感が瘴気の様に吐き出す。紫色のそれ から次々と溢れる昔は 俺らの時は の前置きは、まるで聴くだけ無駄である。
神妙な面持ちをしながら眉間に皺を寄せ、下唇を固く結んでみる。過去の経験で培ったテンプレートのタイミングで絶妙に相槌を打つ。
「たしかに」の顔の出来上がりだ。
自分の思い通りにいかせたい訳じゃなくて、自分がここで働いている価値を見出したいんだ。
人の役に立つとか、自分の信念と重ねた目的を持って働くとか。
2人の娘さんがいる50を過ぎた先輩が、会議の度に叱責されているのをみるとやるせなくなる。その人が悪いからなあ じゃないだろう。
行きつけの美容室の美容師さんも 面白い仕事なんて無い って。
この人は嫌々を露呈して人の頭を触っているんだ。 そう、僕の頭を触る今もだ。 やめちまえ。
そうでも、それでも
好きなアーティストが新譜を出したらやっぱりタワレコに行ってしまうし
聴いたら襟足の少し下辺りがヒリヒリする。
前のようにフラゲ日に心待ちにしていたCDを買いに行けることも少なくなったし
SNSで自己を主張する事もなくなった
からっぽだ
からっぽ
自分でなんとかしなければ行けないのはわかっている
別にお前に言われなくても何回も何回も自問自答している
お前はこうだよな って言われてもまるでお話にならない
ははあ と笑ってはみるけど
知らぬ間に風邪をひいた様だ
ティッシュの箱を一日で無くしている
鼻の下が痛い。
咳がとまらない。
腹が割れた。
邪気を払う様に底知れず溢れ出す鼻汁を吐き出す
こんな風に頭痛が鳴り止まない日々には
パンクロックに頼らせてもらおう
いつかはきっと報われるって小さく呟くんだ
♪二十九、三十/クリープハイプ