それなりモーニング
こんな時間に下りの電車に乗るのはいつぶりだろうか。
これから始まる憂鬱を眉間の皺と一緒に潰しているサラリーマンと瞼が今にも垂れそうな大学生と生足全開の女子高生に溢れたなんとも言い難いこの哀愁漂う光景。
ううむ。この動く箱に入っている皆がこれから今日一日頑張るんだ。
車輪の軋む音や、列車の連結部分が歪む音なんて聞き飽きた。
小さな幸せでも見つけて日常を華やかなペンキで塗りたくろう。
ショッキングピンクで無くたっていい。ほんのり赤みがわかるようなそんな色で良い。
駅のホームの待合室で女子高生が制服の下に履いた黒とピンクのプーマのジャージを脱いでいた。
寒さに怠けた自分を戒める一種の張り手みたいなものだろう。女子高生なのだからと。生足を出してこそだと。
ほんのり。ありがとうございます。
♪シンクロ/秦基博