Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

2016-01-01から1年間の記事一覧

湯葉DAY

久しぶりである。指摘される迄、日記を書こうとも思わなかった。目を開けたら其処は、もう既に見慣れた景色では無く、乾燥した空気と、枯れた匂いが蔓延している。誰もいない部屋と、真新しい家具、黄色い照明。何処だ此処は。何だ此れは。東京で働いている…

石垣に張り付きたい

パソコンの操作に少しでも慣れるように、iPhoneのキーボードをローマ字入力にした。携帯を触るたびにささやかなストレスが溜まっていく。 携帯依存症の僕もこれで少しはマシになるかもしれない。精一杯の、小手先の努力だ。一ヶ月間の本社研修が終わった。今…

肌色の壁(つや無し)

合同説明会 というワードを、垂れ流しのテレビの中の人が口にした。ハッとする。 もう1年経ったのか。1年前の3月1日。 例年より就職活動が後ろ倒しになったからと、周囲を取り巻く全ての人に急かされた結果、リクナビだのマイナビだの何の事だかさっぱり分か…

替えの靴下よりあたたかいものは無い

ブーツの中の指先が死んでいる。感覚は既に無い。果たして次の駅で無事に降りることが出来るだろうか。 準備して吊革に掴まる。 緊張する。 腹が痛い。 ぐっと堪えてやや内股になる。 眩暈がする。 眉間を押さえて皺を寄せる。 電車が揺れる。 不意を突かれ…

先ずはデニムの裾を捲るのに躊躇してから

ほんの一週間程前から降り始めた雪が猛威を振るって、1日に2、3回は雪掃きをしなければならない。 駐車場の入り口が塞がる。身勝手な除雪機が遠くから持ってきた汚い雪を垂れ落としながら家の前を通る。 さっき見た景色がまた広がる。しかし、雪の色は黒い。…

亀状態

少しの坂で息があがり、白く変装した二酸化炭素が顔を見せる。リュックの紐から押し潰された肩が悲鳴をあげる。先週末、自宅で祖母が転んだ。 文字で書くとこんなにもあっけからんとしているのか。部屋のドアを開けて、スリッパを履こうとしたところ、つまづ…

タイトなジーンズにねじ込みたくない

雲の直ぐ下に住んでいる。耳朶の下を潜り抜ける風を感じながら、もう会う事は無いだろうなと気持ちが少し落ち込む。最近は曇天しか見ていない気がする。 動きも鈍くなる様な気がして、関節の動きが悪くなる。下書きをしている間に年が明けたようだ。元旦の朝…