Bitter Sweet

ときめきたいったらありゃしねえ

錆々、煌々








家の裏口を開けると虹彩をぎゅっと絞らなければ、そこさえも見えない程外が明るい。



薄汚れたサンダルを履いて、砂利の上を歩いた。陽や草、土の匂いが心地良かったから、壁に立てかけられていた折り畳み椅子を拡げてそこに座ってみた。

暖かい日は命の匂いがして、四つ足の内一つが壊れている様なガラクタに座っているだけでも細胞が起きていった。




県外ナンバーを良く見かける頃、自分が当たり前にそこにいる違和感に何だか居辛さを感じる。勝手にやってきたのはそっちなのに軽自動車の黄色いプレートが、やけに大きい顔をしているように見えるんだ。


刺すような光も、熱も、心の底にある陽気を引っ張り出してくれる訳でもなく、只々鬱憤だけを積もらせる。







駅のホームから見える茶色と緑のコントラストが好きだ。蛞蝓の様な、這いつくばった暑さもほんの少しだけ和らぐ。

優先席に座り、ベビーカーに話し掛けながらマテ茶を飲んでいるふくよかな貴女。
あなたにはきっと梅雨なんて来ないだろう。











































































♪気ままラブソング/高橋優